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2006年3月26日 (日)

保育所のお別れ会

昨日は保育所のお別れ会が行われた。うちの双子達も約1年半くらいの一時保育という形での通所だったが、みんなと一緒に送り出してくれるということで家族4人で参加した。

今月の保育所はほとんどこのお別れ会の練習だったようで、保育所から帰ってくると双子達が、覚えたばかりの「お別れ会らしい歌」を口ずさんでいた。どんなことするんだろう、KO君、特にTO君は大丈夫だろうか。ワクワク、ドキドキの本番の日を迎えた。

案の定、TO君は保育所に到着するなり、お父さんダッコ状態…。いつも遊んでいるお友達ばかりなのだが、今日はそのお母さん、お父さんが大勢いる。お母さん、お父さんだってたまにはお友達のお迎えで見てるはずなのだが、こんなにいっぺんに大勢いて、それにいつもとまったく雰囲気が違うし、いつもと違うザワザワ感…。

最初は親子といっしょにいろんなゲームをすることから始まった。TO君を安心させようと、いろいろと言葉かけをする。TO君も必死に頑張ろうとしている様子だった。でも、次々と会が進行していくので、TO君自身落ちつく暇がなかったようだった。
それでも気分転換に外での宝探しゲームで少し復活、保育所の先生方による人形を使ったお芝居の時はお父さんから離れて見ることができた。これで上手くいくか?!

いよいよ、卒園証書授与式。卒園する子供は前で座って待つことになるだが、一人では行けないと結局、妻が隣に付き添うことになった。何人か3歳さんの子はそういう親御さんもいた。KO君は「なんでお母さんここにいるの? お母さんはあっちだよ」。
授与式では、名前を呼ばれた子が自分が座っている椅子から順番に園長先生の前に出て行き、卒園証書を受け取る。そして、出席者の方に向きなおして、卒園後「○○幼稚園に行きます。大きくなったら□□になります。」と大きな声で言うことになっている。そう言えば、保育園から帰った時、そんな動作もしてたし、そのようなことも言っていた。
最初は一番大きな5歳児の女の子、みんなに見本をみせるように完璧だった。それから4歳児さん、次の女の子はいつも元気な子なのに、突然涙ぐんでしまった。普通の子供でも何か雰囲気が違ったり、突然何か不安になったり、実はこれは生活し慣れた保育所、先生、お友達と別れる寂しい瞬間であることに気付いたりするのかもしれない。

うちの双子達は今か今かとドキドキだったが、一時保育のため3歳児さんも終わった後だった。KO君は、名前を呼ばれ、「は~い」と大きなお返事。大きく腕を振り園長先生の前へ。ちゃんとお辞儀をして卒園証書を受け取り「ありがとうございます」。出席者の方を向きなおし、「幼稚園に行きます! 大きくなったらアンパンマンになります!」。親の欲目ながら、5歳児の女の子の次によくできたと思う。
そしていよいよTO君の番、名前を呼ばれても返事もできず、妻とKO君までもが付き添い園長先生の前へ。やっとのことで卒園証書を受け取り、何とか卒園後のことを言ってもらおうとしたが、小声で何を言っているかわからなかった。
以前、専門病院の医師に「軽度だけど、症状が出た時は“深い”」と言われたが、そのとおりの症状だったと思う。

卒園証書の授与が終わり、みんなでお別れの歌を歌った。そこでもKO君は練習どおり、一人で前を向き、大きな口をあけ大きな声で一生懸命歌っていた。ほんとに5歳児の女の子の声とKO君の声しか聞こえないくらいだった。家ではいつもお母さんに甘えてばかりの子がこんなに成長していたなんて…。
涙が出てきた。ふと妻を見るとやっぱり泣いていた。でも、この涙の意味は複雑だ。健常な子供の親なら、このような子供の成長を認識し、喜びに涙する。しかし、その隣に今日一日、普通の子と比べれば、KO君と比べれば、何一つまともにできなかったTO君がいるのだ。これからずっとこうかもしれない。TO君にとって辛い想いを何度くり返すのだろうと、KO君の成長に喜びながら、不憫なTO君のことを想い、涙が出てくるのだ。
ただ、普通の子と比べたら…何一つできなかった。と書いたが、TO君は甘えてわがままをしていたわけではない。TO君だって必死にこの不安な状況と闘い、耐え、パニックを起こすこともなく頑張ったのだ。自閉症のTO君にとって、それがどれだけたいへんなことかなんて、親だってわからない。ホントにホントにこの子は苦しんで過ごしたのだと思ってやるしかないのだ。

保育所から帰ってからは二人とも機嫌が良かったのだが、夜、TO君は少し機嫌が悪かった。そして、トイレに行ってパジャマの着替えの時にKO君が先に着替えてしまったのをきっかけに、「また、負けちゃった」と顔をゆがめ、少し頭をたたきながら(自傷行為)、むせび泣き始めた。私が「競争してないよ」と声をかけダッコしてやると、「くやしかった」と泣き続けた。おそらく、今日のお別れ会でちゃんと出来なかったことを、この子はこの子なりに気にして、KO君と同じように上手くやれなかったことがくやしかったのだろう。彼は彼なりに、頑張ろう、努力しようとしているのだ。それだけは、私達夫婦はわかってあげなくてはならない。

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