« 信頼を得るということ… | トップページ | 裏付け証言 »

2006年9月14日 (木)

信頼を得るということ…(2)

すっかり信頼を取り戻したお父さんに、TO君は更にお父さん子になってしまいます。
しかし、妻とは上手くいかない。妻も自分の言うことを聴かないので、次第にTO君を怒ることが多くなります。

昼休み食事をしに帰宅すると(自宅アパートは職場に近い。自分が食事をするためというより、双子達に食事をとらすため帰宅すると言った方が正しい…)、外に聞こえるような大声でTO君を怒っている妻の声がします。妻のことをなだめながら、何とか双子達に食事をとらせ、自分も適当に食事して、また職場に戻る時も、「大丈夫かなぁ。夕方帰ってきたら、ワイドショーネタになってないよねぇ。“幼児虐待か!? 母親無理心中!?”…そんなことになってないよなぁ。」と本気で心配していました(念のため、妻は手は出してませんから、ただ大きな声で怒っていただけです…)。

KO君はそりゃー年齢相応の愚図り程度はありましたが、だんだんと言葉を身につけるにつれ、親とのコミュニケーションがとれるようになると、意思疎通ができるようになり、怒られることが減ってきました。
しかし、TO君はいつまでたっても、親との意思疎通ができません。妻との相性もあるのかもしれませんが、怒る頻度が多くなり、妻も自己嫌悪に陥っていきます。

KO君とTO君の違い…、それが個性の範囲で測られるだけのことなのか? 私は「こんな子、昔からいるよ!」 それで片付けようとしていました。しかし、苦しんでいた妻は違いました。KO君とTO君、同じように育てているつもりなのに何かが「違う」。この「違い」に気付き、その原因を突き止めようと妻は寝る間を惜しんで、本を読みあさり、インターネットで情報を収集します。

そこでまず見つけたのは、ADHD(注意欠陥・多動性症候群)でした。実は、妻はこの時、すでに自閉症も疑っていたようですが…。それでも、最初は私は聞く耳を持たなかったと思います。本当に妻には感謝しています。妻がTO君の障害に気付けたからこそ、今のTO君がいるのだと思います。
最初の病院で診断を受けてからは、もうそりゃー妻の勉強はすごいものです。ホントに寝る間を惜しんで本を読み、TO君への対応を考えます。「育て方」のせいにしてしまえば、それまでかもしれませんが、うちの場合、双子で同じように子育てしてきたつもりなのですから、「育て方」のせいだけでは説明ができません。しかし、これらの障害について無知というのは恐ろしいものだと実感します。余談ですが、この辺のことをもっと日本は考えないと、さまざまな問題は解決しないと思います。

妻の努力が実り、すっかりTO君はお母さんに信頼を寄せるようになりました。以前は何をするのもお父さんだったのに、歯みがき等もお父さんがしようか?と言うと、「お母さんがいい」と言ってお母さんにしてもらいます。お父さんに怒られた時にも、お母さんのところに逃げていくようになりました。
この人は自分のことをわかってくれている人だ。信頼できる人だ。それが安心となり、TO君の気持ちも安定して、こだわりやパニック、自傷行為等、どんどんと改善に向かっていきました。
信頼を得るということ…、いったん失われると並大抵のことではありませんね(私も肝に銘じないと…)。
今でも、カッとなりやすい二人はよく衝突しますが、お互いすぐに仲直りをしようとします。妻とTO君は根に持たないタイプのようです…。

ここで紹介…。実はとうとう妻もblogを始めました。右にリンクも貼っていますので、よろしかったらどうぞ。

|

« 信頼を得るということ… | トップページ | 裏付け証言 »

コメント

お父さんとお母さんの目線はこんなにもちがうんだ。
っていうことがすごく良くわかる、夫婦のblogだね。
これ見てると、自閉症の勉強ができるよ!ほんとに!

投稿: フナコ | 2006年9月15日 (金) 21時03分

妻は双子達が生まれてから、ほぼ毎日欠かさずに育児日記をつけていましたからね。今、それをひもときながらblogを書いているようです。その頃私は、仕事と育児の両立に疲れていました(体力ないし…)。
うちの夫婦のblogは、うちの双子達、自閉症のTO君のことに限ったことだからね。自閉症の勉強にはもっとすごい人がいますよ。お父さんも、もちろんお母さんも、ものすごく我が子のために頑張っていらっしゃる。すごく勉強になるし、刺激を受ける方々が大勢いらっしゃいます。

投稿: たけpon | 2006年9月16日 (土) 00時01分

大学生のときキャンプのアルバイトで自閉症の子(といっても中学生くらいだったかな、体はでかかった)にちょっとしたことが原因で肩に噛付かれたことがあったの。
それ以来、あ、障害あるなこの子。っていう子に街中で会うと、ちょっと引き気味になってしまったんだけどね、どういうわけか、よく近寄られました(笑)
(ガラガラの電車の中で、私の横に座ってニコニコしていた人もいたし、病院の待合では髪を触って「きれいきれい」って、何度もなでられたりとかね・・・なんかおびき寄せるオーラがあるのかしら?)
もちろん、彼らはみんな、好意的に私に近づいてくるものだから、私もニコニコしながらこんにちは~とかいって、適当に対応しているんだけど、やっぱり、少しでも「知っていること」 はとても重要だと思います。

私は田舎の公立の小学校だったけど、同級生に知的障害のある男の子がいました。3~4年生の頃同じクラスになったので、面倒見役としてお世話をしてあげたよ。
その子にとって、そういう環境がよかったのかどうなのかわからないけど、他の子にとってその子がじゃまな存在ではなかったです。
子どもに偏見という価値観を与えるのは、大人(親)なんやないかなぁ。と思います。
本となら、いろんな状態の子どもがいるような世界こそが、健常な心を育てると思うんだけどねー。

まぁともあれ、たけponの日記がきっかけで、自閉症について興味を持ち始めたのは事実です。(TO君に会うとき、初対面でも気に入られるようにひそかに特訓(何を?)中です。)

カナダのAさんはカナダで児童心理学など勉強して、今は現地の幼稚園で働いているんだよ。いろいろ話してきます。

コメントのくせにながくなっちゃった。ごめんねー

投稿: フナコ | 2006年9月17日 (日) 08時36分

世の中の人が、フナコさんみたいに障害について正しく知ろう、理解しようという人ばかりだといいのですが…。と言いつつ、私は子供の頃同じクラスや学校にいた、障害を持っていたであろう子供のことを理解しようとしていたかというとそうではない。別にいじめようとかしたことはないけど、積極的に関わることはしなかったし、どちらかというと問題行動のある子には「クラス委員長」という立場で注意していた方なので、自分に障害のある子供ができてはじめて、そういう障害について勉強して、TO君のことを理解してもらいたいと思うのは身勝手だなぁと思いながら、自分が今までとってきた行動や思いに対し反省させられています。
しかし、TO君のことで知ったからこそ、これから自分が何ができるのか、考えていこうと思います。もちろん、やはり第一は我が子のTO君のことになってしまうのだけれども、このblogを通して、また職場で何ができるかも考えようと思っています。
Aさんには、カナダでのこの障害への取り組みの現状みたいなことを聴きたいですね。欧米は進んでいるみたいです。カナダも日本よりはマシだと思いますが…。

投稿: たけpon | 2006年9月18日 (月) 01時24分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 信頼を得るということ… | トップページ | 裏付け証言 »